2014年11月20日木曜日

クラウド運用について気づいた6つのこと

きょう、日本MSP協会の記念すべき第1回の会合に参加させていただき、たくさんの議論のなかで、気付き(というか思いつき)が幾つかあったのでメモしておきます。

運用は Managed それとも Operation

"運用でカバー" という言葉が示す通りとかく運用担当は雑用係になりがちです。そもそも運用とは何か?という問いかけに明確に答えられないのが実情だと思います。手順書をもらって作業するのが運用ということになりがちです。
これはただの operation だと思います。
operation を超えて Managed になるには何が必要なのだろうか? という問いかけに答える必要があります。

サービスカタログの必要性

Managed として認めていただくためには、 Managed Service として何が提供されるのかを明確にする必要があると感じました。そのためには Service Catalogue の充実が必要になると思いました。では Service Catalogue の内容として何が必要なのでしょうか? 幾つか思いつきですが並べてみます。

コスト最適化

MSP という業種は Managed 業務のアウトソーシングだと思います。アウトソーシングである以上、自社でやるよりもコストメリットがあることを訴求しなければいけないと思います。そのためにはサービス内容を貨幣価値で評価する必要があり、管理会計的な手法や、オペレーショナルリサーチ的な手法が必要になるように思います。同一コストであれば、デリバリーされる内容が自社運用するよりもレベルが高いとか、同じサービス内容であればコストが安いことなどをお客様や経営層に訴求する必要があると思います。

IT 統制の重要性

Managed Service の重要な課題となるのは IT 統制、特にセキュリティへのコミットメントではないでしょうか。本当に IT 統制を適用するとシステムの規模によりますが、それだけで莫大なコストがかかります。MSP に任せれば セキュリティを含めて IT 統制、コンプライアンスは万全だと言われるような Service Catalogue の整備が必要だと思います。

運用設計の重要性

DevOps ではないですが、クラウド時代の運用は自動化手法が重要になってくると思います。そのためには、システム設計の段階から運用、コンプライアンスに関して重要なアーキテクチャを提案する必要があると思います。例えば、Immutable infrastructure 化する手法の提案などがあると思います。とりあえず作っちゃったから、あと運用よろしくでは IT 統制のコンプライアンスを取得するのは難しくなると感じました。

職業的ディシプリン(規律)の確立

IT 統制の中で最もリスクが高いのは、某通信教育会社の事例を引き合いに出すまでもなく、Human Factor だと思います。MSP に任せて安心だと思っていただくためには、マックス・ヴェーバーのプロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」ではないですが、やはり倫理的な規範を示す必要があると思います。その規範の表明としてMSPチャーター(憲章)のようなものを制定する必要があるように思います。MSPチャーターに従うことが運用プロフェッショナルとして表明することなるようになったらいいなぁと思いました。

以上、とりとめもなく書いていますが多くの方のご意見を賜りたいと思います。